まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
上司への萎縮を克服するには?結論と全体の流れ
- 見分ける:診断チャートで、4つのルートのどれかを決める
- その場:固まった瞬間は、決めておいた3つの行動だけを行う
- 24時間以内:出来事を記録して、次の報連相(報告・連絡・相談)を準備する
- 1〜2週間:記録表で変化を見て、相談や異動を考える
そもそも萎縮とは?上司が怖いときの萎縮は2種類ある
自分で慣らせる萎縮
パワハラへの反応としての萎縮
- 優越的な関係を背景とした言動である
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えている
- 労働者の就業環境が害される
| 類型 | 指針に挙がっている例(要約) |
|---|---|
| 身体的な攻撃 | 殴打・足蹴り、物を投げつける |
| 精神的な攻撃 | 人格を否定する言動、他の人の前で大声で威圧的に叱ることを繰り返す |
| 人間関係からの切り離し | 仕事を外して長期間別室に隔離する、同僚が集団で無視して孤立させる |
| 過大な要求 | 必要な教育なしに到底対応できない目標を課し、達成できないと厳しく叱る |
| 過小な要求 | 気に入らない人に嫌がらせのため仕事を与えない |
| 個の侵害 | 職場外でも継続的に監視する、病歴などを本人の了解なく暴露する |
数字で見ると、黙ってしまう人のほうが多い
- 過去3年間に勤務先でパワハラを受けた人:19.3%
- パワハラの行為者で最も多いのは「上司(役員以外)」:65.7%
- 受けた後の行動で最も多いのは「何もしなかった」:36.9%
- 何もしなかった理由で最も多いのは「何をしても解決にならないと思ったから」:65.6%
- 心身への影響として「仕事に対する意欲が減退した」:61.1%
注意
相手の言動が類型に近いのに「怖がる自分が悪い」と決めつけないでください。その場合に必要なのは克服ではなく、記録と相談です。
始める前の準備:萎縮タイプ診断チャートで4つのルートに分ける
萎縮タイプ診断チャート
- YES → ルートA:記録・相談ルート
- NO → Q2へ
- 目上の人全般 → ルートB:自己効力感の回復ルート
- この上司だけ → Q3へ
- YES → ルートC:受診・こころの耳ルート
- NO → ルートD:コミュニケーション技術ルート
ルート別・最初の3つの行動
| ルート | 行動1 | 行動2 | 行動3 |
|---|---|---|---|
| A 記録・相談 | 日時・発言・同席者を記録する | 指示や叱責のメール・チャットを保存する | こころの耳や労働局の窓口に状況を話す |
| B 自己効力感の回復 | 挨拶など1日1つの小さな目標を立てる | できたことを1行メモする | 報告の前に話す内容をメモにまとめる |
| C 受診・こころの耳 | 心療内科・精神科やかかりつけ医に相談する | こころの耳で気持ちを話す | 産業医がいれば面談を申し出る |
| D コミュニケーション技術 | 報告を3行で準備する | 「具体的にはどういうことですか」と聞き返す | 口頭の指示を復唱してメモする |
補足
Q3の「2週間」は受診を考えるための記事独自の目安で、診断基準ではありません。2週間未満でもつらいときは早めに相談してください。
手順を順番に詳しく解説:固まった瞬間とその後24時間のチェックリスト
その場でやる3つ(①〜③)
- [ ] ① 息をゆっくり吐く:声を出す前にひと呼吸おきます
- [ ] ② 復唱してメモする:「〇〇を△日までに、という理解で合っていますか」と言いながら書きます
- [ ] ③ 即答しないで保留する:「一度整理して、15時までにお返事します」「念のため、チャットでも送っていただけますか」など、時間を区切って返します
直後にやること(④)
- [ ] ④ 日時・発言・同席者を記録する:言われた言葉は、なるべくそのまま書きます
| 日時 | 場所 | 発言(そのまま) | 同席者 | 6類型の該当 |
|---|---|---|---|---|
| 例:9/24 10:15 | 会議室B | 「こんなこともできないのか」 | Cさん | 精神的な攻撃? / 該当なし |
当日の夜にやること(⑤⑥)
- [ ] ⑤ 事実と自分の解釈を分けて書く(例:事実「数字を2か所直すよう言われた」/解釈「全部ダメだと思われている」)
- [ ] ⑥ 次の報連相を3行で準備する:結論「〇〇は完了しました」→状況「△△だけ確認待ちです」→次の行動「明日12時までに共有します」
1週間の記録表
| 日付 | 萎縮度(0〜10) | 出来事 | 実行した対処 |
|---|---|---|---|
| 例:月 | 7 | 朝会で進捗を詰められた | ①② |
| 火〜日 |
つまずきやすいポイントと対処法:上司が怖くて話せないときはどうする?
注意
記録は私物のノートやスマホに、自分が見聞きしたことだけを書きましょう。業務資料や顧客情報を持ち出すと、就業規則に反するおそれがあります。
注意点・リスク:相談先の違いと、上司が怖くて仕事を辞めたいときの判断
相談先の比較表
| 相談先 | 匿名 | 会社への伝わり方 | 費用 | 受付時間 | 相談後に起こること |
|---|---|---|---|---|---|
| こころの耳(電話・SNS) | できる | 匿名なら名前や勤務先を伝えずに話せる | 無料 | 平日17:00〜22:00、土日10:00〜16:00(祝日・振替休日・年末年始を除く) | 話を聞いてもらい、気持ちを整理する |
| こころの耳(メール) | できる | 同上 | 無料 | 24時間受付、1週間以内に返信 | 同上 |
| 総合労働相談コーナー | 要確認 | 要確認。助言・指導やあっせんを申し出ると会社も手続きに関わる | 無料 | 要確認(設置場所による) | 情報提供・相談。希望すれば労働局長の助言・指導、紛争調整委員会のあっせん |
| 労働局 雇用環境・均等部(室) | 要確認 | 要確認。援助や調停を申し出ると会社も手続きに関わる | 要確認 | 要確認 | パワハラ防止措置などの紛争について、労働局長による援助と調停 |
| 社内ハラスメント窓口 | 会社の規程による | 窓口担当者には伝わる | 会社の規程による | 会社による | 事実確認や行為者への対応(規程による) |
| 産業医・保健師 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 会社による | 面談 |
| 上司の上司 | できない | 伝わる | — | 勤務時間中 | 業務分担や配置の調整につながる場合がある |
| 家族・友人 | — | 伝わらない | — | 相手しだい | 気持ちは整理できるが、職場の状況は変わらない |
上司が怖くて仕事を辞めたいときの判断
- 記録表で、萎縮度7以上の日が2週間以上続いている
- 意欲が落ちて、仕事の質や評価に影響が出はじめている
- ルートAの記録がたまり、社内窓口に相談できる状態になった
注意
眠れない、食べられないといった状態が続いているときは、退職のような大きな決断を1人でしないでください。先に医師やこころの耳に相談してから考えるのがおすすめです。
具体例・ケーススタディ:4つのルートの動き方
まとめ:今日からできる次の一手
よくある質問
Q. 上司に萎縮してしまうのは甘えですか?
Q. 上司が怖くて話せないとき、最初の一言は何がいいですか?
Q. 上司が怖いから仕事を辞めたい、というのは逃げですか?
Q. こころの耳に相談したら、会社に知られますか?
補足
本記事の制度・窓口情報は、2026年9月24日時点で厚生労働省と労働局の公式ページを確認したものです。利用前に最新の公式情報をご確認ください。




